タイ産タマヤスデ


学名 Hyleoglomeris albicollis Golovatch
分布 タイ北部
全長 4〜5cm
直径 2cm前後
セグメント(外骨格)11〜12枚
繁殖難易度 ★★★★☆



別名ピコボール。
どちらかというと、別名の方が知名度あるかも。
お店によっては『ネッタイタマヤスデ』とか『ブラックタマヤスデ』とかもある。
まれに『ピルミリピード』で売ってる店もあるが、それはむしろ正統派。
海外ではPill Millipedeと呼ばれているので、変な和名よりスッキリする。
実は微妙に違うタイプも「タイ産」として入荷するので注意を。
写真のタイプは、地表で活動する姿を観察できるが、別のタイプには潜りっぱなしもいる。

以前は飼育や繁殖した上で感じた事をUPしておりました。
がしかし、一部の飼育者様に不快な思いをさせてしまったので、内容を改めました。
ただ、これだけ書かせてください。
ネットの情報は読み手がチョイスして然るべきです。
自分には不要だと感じたら、拾わずに読み飛ばせばよいだけです。
いくら不要だからと言っても、思い込みで他人を叩いたり、匿名で攻撃するのはやめましょう。
とても恥ずかしい行為です。
私の飼育情報など、たかが知れています。
求めていた方には申し訳ありませんが、今はその詳細を出す気にはなれません。
事実無根の怪情報を関係機関に通報してまで阻止したい情報が含まれていたとは思えませんが、それを実行する方がいる限り、リスクが高すぎます。
愉快犯であれ何であれ、嫌がらせが落ち着くまでは詳細を伏せた簡易的な情報のみUPします。








2012,09,06追記

一回の脱皮で、そこそこ大きくなる。
これでも小さい方で直径1.5mm、大きい方が直径2mm程度。
ただし、脱皮までの期間は長い。
画像はデジタルマイクロスコープ×200を使い撮影しました。

2012,09,14追記


餌の残りカスを探すピコボール達。
画像はNikonCOOLPIX S640

2012,09,15追記


プラケ側面から見える一番大きいベビー達。
上には写っていないが、全体的には三段階の成長差を感じる。
画像はNikonCOOLPIX S640

2012,09,30追記


新しいベビーと、30日以上経過したベビー。
サイズが違い過ぎて、どちらか片方にしかピントが合わない。
画像はデジタルマイクロスコープ×200を使い撮影


更に14日経過したベビーを二匹追加して撮影。
一番大きな個体が誕生(発見)した後、一旦リセットした飼育材で新たに誕生した個体が右端の個体。
現在まで、確実に個別飼育しているベビーは10匹。それ以外にも20匹以上は確認済。
画像はデジタルマイクロスコープ×200を使い撮影


2012,10,18追記



特に書くことが無い。
すこぶる元気で順調。
先日の『とんぶり市』で、何人かに「HP見てます」と声を掛けられた。
約束通り、惜しげもなく飼育ノウハウを伝授して、希望者にはベビーも差し上げた。
当日お会いした方以外でも、ベビー無償提供希望の方は、お気軽にメールください。
だいぶ減りましたが、まだ恐らく数十匹は軽くいる模様。
(10月19日現在、希望者多数の為、一旦打ち切ります)


ベビーは、プラケ(クリーンケース)で飼育。
全体を上から見て、左側の乾燥している箇所に普段から集中している(写真左)
あまり多湿な環境は好まず、乾燥している床材部分を軽く掘ると、ボロボロ出てくる(写真右)
明らかなサイズ違いから、複数回、又は複数の♀が産卵した模様。
成長状況から考え、ほぼ育成は安定しているので、今後はHPでの報告頻度を落とす予定。


2012,10,30追記

頻度を落とす予定でしたが、何点か気が付いたので追記。
たぶんココを見ている人は少ないと思うけど。
取り敢えず、別導入&別プラケのタイ産が産んだ。
♀は5月にレインフォレストで購入、♂は8月5日の静岡レプショーで購入個体。
比較用に、今回生まれたベビーと、第二期のベビーとを一緒に撮影してみた。

第一期のベビーは配布要員に充てた為、残っている数が少ない。
適当に掘って見つけた個体の全長測定。
写真だと微妙だが、実際は一目瞭然で大きい。

この個体より大きい個体もいるが、皆だいたいこれぐらいに育っている。

どの成長個体群にも共通して、一時的に湿度を上げると一斉に地表に出てくる。
が、しばらくすると再び潜る。
あまりにも殖えているため、ワラワラしてありがたみが薄れる光景。

一連の繁殖を踏まえても、たまたま持ち腹だった説が拭えないのは事実。
ここに載せていないが、交尾行動も何枚か撮影済。
今回更なる検証の為、別便で日本に入った個体を導入予定。
願わくば、第一期に誕生したベビーを繁殖までこぎつけて、完全国内CBを目指したい。

2012,11,10追記
報告は2つ。
杉並区のショップ、Pumilio(プミリオ) さんから新たにタイ北部のタマヤスデを購入。
仕入れ先が直接現地で採集しているとの事で、お願いしたら採取日や採集地の詳細データをわざわざ確認して頂けた。
正直、かなり嬉しい。
これが1匹数百円で、注文した翌日には自宅に届くとか、なんて素敵な時代なんだろうと思う。
しかもかなり大型で、我が家の古株軍団(右個体)が子供に見える。

今回導入したタイ北部のタマヤスデは、セッティングしてすぐ交尾を始める旺盛ぶり。

以前から気になっていた、表面にあるBurn spotのような状態はさほど問題ではない気がしてきた。
あくまでも「気がする」だけ。

それと、もう一つ。
5月にレインフォレストで購入していた別ペアが産んだ。
これで我が家では少なくとも3ペア(3♀)が産んだ事になる。
今回のグループは、マットにワラジムシを混ぜていたので、以前からタマヤスデは繁殖していなかった。
しかし今回、糞が目立ってきたので全取り替えを敢行したら極少数のベビー発見に至った。
結果的に、ワラジムシと同居でもタマヤスデは繁殖する事が判明したが、同時にタマヤスデベビーの無残な残骸も見つかった。
しかも、生存していたベビーは相当少ない。
友人宅で、ワラジムシがフラットミリピードの卵塊を食べてしまった実例もあるが、最初から今回生まれたベビーが少なかった可能性もある。
この結果をどう読むかは、閲覧している方々に委ねます。

今回過酷な環境で生まれたベビー。左端のベビーはセグメントの数が少ない。
脱皮ごとに外骨格の枚数が増えていくようだ。
ちなみに温度と湿度は他のタイ産タマヤスデと同じで、データロガーからの情報を一定時間ごとにパソコンで常時記録している。
しかし、そこから読み取れるような新しい発見は特にない。

2012,12,04追記
特筆するような進展は何も無い。
各ステージ、順調に育っている。
第一期と第二期のベビー達は、最近よく地表に出てくるようになった。
しかし、明かりをつけるとササッと潜る。



適当に拾い集めて撮影してみたが、恐らくこのステージのベビーだけで50匹以上いる。
こうも順調に殖えてくると、段々ありがたみが薄れてきた。
飼育者が感じるこの手の気の緩みは、良くない兆候だと思う。
しかし、気が緩んでも環境の急変が無ければ、特に問題が生じないのもまた事実。


実は今、一つの壁に直面している。
さほど大きな壁ではないが、説明が長くなるので次の機会に。


2012,12,18追記
やはり何も変化は無い。
余りにも変化が無いので、適当に大き目の個体を撮影してみた。


チョコチョコと動き回り、すぐコロコロと球になるので撮影が難しい。
約7.5mm程の全長。
飼育は順調なのかと聞かれたら『恐らく順調だと思う』と答える状況。
なんせ正解が分らない種類だから、飼育法に関して胸は張れない。

最近、殖えすぎた各種のヤスデの貰い手が現れず、気掛かりな壁となっていたが、探したら次々と名乗り出てくれた。
今は小さくて管理も余裕だが、この個体達が全部大きくなった時に…とか考えると憂鬱になっていたので助かった。
自分で殖やしておいて、自分の都合で間引くのは忍びないので、今後は計画的に殖やさないとダメだと改めて思った。


2012,12,27追記

変化はないけど、恐らく年内最後の更新。
こうしてヤスデを飼育していると、『安定』という状態がいかに大切か痛感する。
湿度や温度、腐葉土と糞の量、全ての状態が安定していると、見ていて気持ちがいい。
こういう状態を文字で説明するのは難しいが、きっと飼育者なら分かると思う。
しかし、この状態は長く続かない。
殖えすぎたヤスデを友人に託す場合、当然飼育ケース内の腐葉土も少量ながら一緒に提供するから。
すると、自分の飼育ケース内の腐葉土が減り、当然新しく追加する事になる。
もちろん実績のある腐葉土を使うのだが、やはり新しい腐葉土は葉に多少張りがあって、見た感じ硬い。
これを防ぐ為、買ってきた腐葉土は水分を調節しながら、飼育部屋内で常時加温して熟成を促している。
更に書くと、その前段階で専用ミキサーに掛け、絶妙なサイズに調整してある。
専用ミキサーと言っても、腐葉土を粉砕する為に開発された機械ではなく、料理用のミキサーを自分専用に買ってきただけだが。
こうして追熟させた腐葉土を実際に使う前に、ヤスデの種類ごとに更にミキサーでサイズ調整をする。
この、ひと手間を掛ける事が、はたしてヤスデに良いのかは謎だが、お陰様で飼育は順調だ。

ちなみに、ヤスデ飼育の定説になっているカルシウムは、タマヤスデには一切与えていない。
もちろん腐葉土にカルシウムが含まれているので、厳密には餌として与えているが、それを補う意味でのカルシウムは与えていない。
また、他のサプリメントは定期的に与えているが、カルシウムの保有量は1gあたり0.05mg以下なので、ほぼ無視できる量。
重要なのはカルシウムだけではなく、複合的なバランスで環境を安定させるべきであり、その為には炭酸カルシウムのみ与えるのは疑問。
当初はタマヤスデにも炭酸カルシウムや乳酸カルシウムを与えていたが、個別の比較データを見ても必要性が感じられなかったので現在は与えていない。

・この考えは、他の飼育者を否定する意味ではありませんし、カルシウムを与える事が害になるという意味でもございません。
私自身もヤスデの種類に依っては現在もカルシウムを与えています。

長期的な観察が求められる現状で、安定した状態を崩す恐れがあるので、安易に真似されることはおすすめしません。

2013,01,11追記

新年を迎えましたが、特に変化なし。
更新しないと仲間内で死滅説や飽きて放置説が流れるので、サラッと追記。
友人達はヤスデに興味がないくせに、定期的に更新をチェックするところが憎い。
暇つぶしにタイ産タマヤスデのTOP画像をハイダイナミックレンジ合成風にしてみた。
が、仕上がりがインチキ臭いので差し換えない。

2013,02,01追記

トラブル発生です。
飼育ケースに仕込んだロガーのデータにより、ここ最近ケース内の温度が若干上昇していたのを確認していました。
と言っても、平均1.5℃〜2℃程です。
ここ数日、外の気温が少しだけ上がっていたので、誤差の範囲だと気にしませんでした。
ところが本日20時、ケース内が3℃上昇しており、湿度も上昇しておりました。
不思議に思ってケース内を確認すると、かなりの数のベビーが表面に出て固まっています。
この固まるというのは、防御態勢で丸まっているのではなく、半分伸びた状態で固まっている状態です。
つまり、死亡している状態。
急いで新たなタマヤスデ用プラケを用意し、生きている個体を移しました。
生きている個体と死体の選別作業中、今回の大量死の原因がなんとなく判明。
腐葉土の再発酵が起きていたようです。
この場合、再発酵という言葉が正しいのか分かりませんが、ケースの中心部が、明るい色をした塊になっておりました。
この塊、ほぐすと菌糸のような物で絡み合っていて、あまりいい匂いではありません。
まるで赤松のようなにおい。
この状態がプラケ外周を残して、ケース中心からの8割がたを覆う規模で蔓延。
この飼育ケースの腐葉土は落葉100%で、ホダ木や樹皮等を粉砕したもの(昆虫マット)は含まれておりません。
ここ数か月、特に変な物を混入させておらず、メンテは霧吹きで加水していただけ。
大量死の原因は、この菌糸に覆われた塊以外に考えられません。

生き残ったベビーは20〜30匹程ですが、なんとか全滅は免れました。
ただ、おびただしい数の死体を前に、無念でなりません。
データロガーの数値だけでなく、実際に目視で確認しておけば異変に気付けた可能性もあり、悔やまれます。

2013,02,26追記

最盛期に比べ大幅に個体数が減少したものの、なんとか二桁のベビーをキープしている。
前回慌てて隔離したベビー達の中でも、6匹は手遅れで数日中に死んだ。
いやはや難しい。
最近、餌として与えているサプリメントを以前程食べなくなった。
与えると何匹かは地表に出てくるが、餌を食べているのか単にウロウロしているのか不明。
それと、移動速度がUPした。

とにかく撮影しにくい。
写真でみると前回とサイズに大きな変化がないが、実際には如実に大きくなっている。
日々、綱渡りのような手さぐり飼育だが、こうして成長している姿は嬉しい。
逆にミヤンマータマヤスデのベビーは、ほとんど成長していない。
生きてはいるが、どうにも生命力を感じない状態。
何がダメなのかわからない。


2013,03,18追記

ちゃんと生きている。
そして朗報。
ついにベビーの全長が1cmを超えた。
自分的には、例え持ち腹だろうが、偶然だろが、そんなことはもうどうでもいい。
プラケ内でベビーを1cmオーバーまで成長させた自分を褒めてあげたい。



嬉しくなって何枚も撮影したけど、上手く撮れていない。



スケールの上で撮影すると、大きくなったことを実感するが・・・



使い捨てライターで比較すると、まだまだ小さい。
昨日、ブラックアウトに行ったら、いくつかのブースでメガボール(?)を売っていた。
ただ、ブースに並べていた生体の種類から、恐らく専門外なんだと思う某店で「腐葉土だけで飼えます!」とセールスされたのが気になった。
正直言って、腐葉土だけでは飼えないと思う。
厳密に言うと「腐葉土+α」のαの部分が重要で、腐葉土は単なる床材的なポジションではないかと。
確かに腐葉土も食べるには食べるけど、それだけではゆっくり死んでいく。
あ、誤解なきように記すと、そのαを含めて腐葉土と呼ばれるのも、これまた事実なんだけど。
この辺の感覚は、外産タマヤスデ飼育者にとって周知の事実だが、それでも手を出してしまいそうになる。
『元気そうだし、もしかしたら…』とか『重いから餌を食ってるかも…』とか、誘惑という名の希望的観測が怖い。
ちなみに、この某ブースと別の「プミリオさん」のブースで、魅力的なヤスデが破格で並んでいたが、手を広げすぎると管理が疎かになるので我慢した。
帰ってから「やっぱり買っておけば良かった」と少し後悔。


2013,04,21追記

生き残り組のピコボールは順調に育っている。
プラケの底を見ると小さな部屋を作っているのが分かる。


ミヤンマー産タマヤスデは、かろうじて生きている。
が、成長が著しく遅い。
タイ産は順調なのに意味が分からない。

ピコボールには関係ないが、ブログのLINKを張り忘れていたのでTOPに追加した。
正直、有益な情報は少ないけど。

2013,12,12追記

2013,12,12現在、順調に成長している。
詳細はブログで。

http://cradashi.blog.fc2.com/blog-category-5.html


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